2013年04月09日01:51
麻酔を打ってくれる先生がやってくるまでがとても長く感じましたが、実際には15分くらいだったと思います
ですが、急に始まった私の陣痛はしっかり3分間隔になっていて、とても耐えられません
必死に、「呼吸!呼吸!」と自分に言い聞かせ、息を吸っては長く吐くことを繰り返していました
と、そのときベテランの助産師さんが横についてくれ、私のお尻を強く押し、腰のマッサージを始めました
出産経験のある方ならご存知だと思いますが、陣痛の山のピークの時に肛門あたりを強く押すととても楽になります
主人がやってくれるマッサージとは全然違い、彼女が介助を始めると痛みをぐっとこらえることができ、さすがプロ!と感動しました
陣痛がピークの時はお尻を押さえ、引いていくと腰をさすってくれます
助産師さんは、私の力の入り具合を見て
「あなたこのまま麻酔を打たなくてもすぐ出産できそうよ? 本当に和痛分娩をするの?」
と声を掛けてきました
痛みで朦朧としながら、私は一瞬迷いましたが、すぐに
「はい…、どうしても麻酔で…お願いします」
と答えました
確かに陣痛の具合から出産はかなり近いことが自分でもわかります
以前の病院はマッサージなど全くなかったので、助産師さんがついてくれるだけでこんなに楽になることがとても驚きでしたが、それでもやはり痛いものは痛いのです
「麻酔は10回入れても1回入れても同じ料金よ。あなたは多分1~2回入れたらすぐ出産になると思うけど…」
助産師さんはきっと私に余計な出費をさせないように、と親切心でそう言ってくれていたのですが、私は頑固に麻酔をお願いしました
助産師さんは私が意地でも麻酔をしたい!と訴えるのを聞いて少し呆れたような表情をしていましたが、それでも先生がくるまでずっとマッサージを続けていてくれました
そして、やっと先生が陣痛室にやってきました
「○○さん、かなりキツそうですね。すぐ麻酔の準備をします」
もう、先生のその言葉が神様のもののように聞こえます
私は陣痛室のベッドから特に移動することなく、そのまま横向きに寝るように指示されました
和痛分娩で主に使われる麻酔の方法は「硬膜外麻酔」といい、背中から細いチューブを入れて麻酔を注入します
これが、私が心配していたことのひとつで、麻酔を入れるためのチューブの挿入が痛いのでは…ということでした
前述していたように、採血の針を刺すことさえ苦手な私です
背中にチューブを入れるなんて想像するだけで貧血を起こしそうでした
でもそんなことは言ってられません
陣痛の合間を見計らって必死にベッドの上で横向きになりました
その後、今度は背中を丸めるように、と指示があります
ですがこれがとても大変でした
まず臨月のお腹を抱えて丸くなる、ということはとても難しいのです
更に、尋常でない痛みが背中や腰、お腹を襲ってきている時にそんな姿勢を維持するなんて、本当に苦労しました
が、ここでできなかったり動いたりすると針がうまく刺さらない、と先生から恐ろしい言葉があり、何とか言われた通りの姿勢をとりました
そして、まずは麻酔針を入れる痛みを感じないために皮膚麻酔をします
ここで軽くチクッと痛みがありましたが、今きている陣痛に比べれば何でもありません
その麻酔後、いよいよカテーテルを背骨の間に入れていきます
「決して動かないように」
という注意をされ、先生が背中に管を入れ始めました
ですが、麻酔の効果で痛みは全くありません
何か背中に触れているな、ということはわかりますが、心配していたような激痛などは何もありませんでした
皮膚麻酔からカテーテル挿入まで5分もかからずすぐに終了したのですが、いざ硬膜外麻酔を注入する、となったとき看護師さんから
「いきなり麻酔を打って具合が悪くなるといけないので、まずは少量入れてみて様子をみますね」
とのこと
カテーテルを入れるとすぐに痛みが取れる、と思っていた私はかなりガッカリしました
ですが、決められた手順は踏まなければいけません
背中のカテーテルが私の肩から胸のあたりまで回され、そこから管に少量の麻酔が入れられました
このときまで陣痛の感じる痛みはほとんど変わりません
陣痛はどんどんきつくなり、私はもう声に出して早く!と看護師さんに訴えていました
血圧が変わらないことを確認し、気分も悪くないと伝えると(実際は陣痛で気分が悪いとかそれどころではないです)、いよいよ麻酔を規定量注入することになりました
看護師さんが注射器のようなものに入った麻酔を、私の胸のあたりまで伸びたチューブから入れていきます
すると、とても不思議な感覚なのですが、背中を上から下にすーっと氷で撫でたような感触がありました
とても冷たい感触に驚いていると、看護師さんに
「今冷たい感じはしていますか?」
と聞かれました
麻酔が入ると、このように感じるのが普通だそうです
と、同時に激しく腰をハンマーで叩かれていたような痛みがみるみるなくなっていきます
「あ、痛くない…」
麻酔を入れてから10秒、あっという間にあんなに激しかった痛みは嘘のように消えたのです
出産当日~麻酔
カテゴリー │陣痛・分娩
麻酔を打ってくれる先生がやってくるまでがとても長く感じましたが、実際には15分くらいだったと思います
ですが、急に始まった私の陣痛はしっかり3分間隔になっていて、とても耐えられません
必死に、「呼吸!呼吸!」と自分に言い聞かせ、息を吸っては長く吐くことを繰り返していました
と、そのときベテランの助産師さんが横についてくれ、私のお尻を強く押し、腰のマッサージを始めました
出産経験のある方ならご存知だと思いますが、陣痛の山のピークの時に肛門あたりを強く押すととても楽になります
主人がやってくれるマッサージとは全然違い、彼女が介助を始めると痛みをぐっとこらえることができ、さすがプロ!と感動しました
陣痛がピークの時はお尻を押さえ、引いていくと腰をさすってくれます
助産師さんは、私の力の入り具合を見て
「あなたこのまま麻酔を打たなくてもすぐ出産できそうよ? 本当に和痛分娩をするの?」
と声を掛けてきました
痛みで朦朧としながら、私は一瞬迷いましたが、すぐに
「はい…、どうしても麻酔で…お願いします」
と答えました
確かに陣痛の具合から出産はかなり近いことが自分でもわかります
以前の病院はマッサージなど全くなかったので、助産師さんがついてくれるだけでこんなに楽になることがとても驚きでしたが、それでもやはり痛いものは痛いのです
「麻酔は10回入れても1回入れても同じ料金よ。あなたは多分1~2回入れたらすぐ出産になると思うけど…」
助産師さんはきっと私に余計な出費をさせないように、と親切心でそう言ってくれていたのですが、私は頑固に麻酔をお願いしました
助産師さんは私が意地でも麻酔をしたい!と訴えるのを聞いて少し呆れたような表情をしていましたが、それでも先生がくるまでずっとマッサージを続けていてくれました
そして、やっと先生が陣痛室にやってきました
「○○さん、かなりキツそうですね。すぐ麻酔の準備をします」
もう、先生のその言葉が神様のもののように聞こえます
私は陣痛室のベッドから特に移動することなく、そのまま横向きに寝るように指示されました
和痛分娩で主に使われる麻酔の方法は「硬膜外麻酔」といい、背中から細いチューブを入れて麻酔を注入します
これが、私が心配していたことのひとつで、麻酔を入れるためのチューブの挿入が痛いのでは…ということでした
前述していたように、採血の針を刺すことさえ苦手な私です
背中にチューブを入れるなんて想像するだけで貧血を起こしそうでした
でもそんなことは言ってられません
陣痛の合間を見計らって必死にベッドの上で横向きになりました
その後、今度は背中を丸めるように、と指示があります
ですがこれがとても大変でした
まず臨月のお腹を抱えて丸くなる、ということはとても難しいのです
更に、尋常でない痛みが背中や腰、お腹を襲ってきている時にそんな姿勢を維持するなんて、本当に苦労しました
が、ここでできなかったり動いたりすると針がうまく刺さらない、と先生から恐ろしい言葉があり、何とか言われた通りの姿勢をとりました
そして、まずは麻酔針を入れる痛みを感じないために皮膚麻酔をします
ここで軽くチクッと痛みがありましたが、今きている陣痛に比べれば何でもありません
その麻酔後、いよいよカテーテルを背骨の間に入れていきます
「決して動かないように」
という注意をされ、先生が背中に管を入れ始めました
ですが、麻酔の効果で痛みは全くありません
何か背中に触れているな、ということはわかりますが、心配していたような激痛などは何もありませんでした
皮膚麻酔からカテーテル挿入まで5分もかからずすぐに終了したのですが、いざ硬膜外麻酔を注入する、となったとき看護師さんから
「いきなり麻酔を打って具合が悪くなるといけないので、まずは少量入れてみて様子をみますね」
とのこと
カテーテルを入れるとすぐに痛みが取れる、と思っていた私はかなりガッカリしました
ですが、決められた手順は踏まなければいけません
背中のカテーテルが私の肩から胸のあたりまで回され、そこから管に少量の麻酔が入れられました
このときまで陣痛の感じる痛みはほとんど変わりません
陣痛はどんどんきつくなり、私はもう声に出して早く!と看護師さんに訴えていました
血圧が変わらないことを確認し、気分も悪くないと伝えると(実際は陣痛で気分が悪いとかそれどころではないです)、いよいよ麻酔を規定量注入することになりました
看護師さんが注射器のようなものに入った麻酔を、私の胸のあたりまで伸びたチューブから入れていきます
すると、とても不思議な感覚なのですが、背中を上から下にすーっと氷で撫でたような感触がありました
とても冷たい感触に驚いていると、看護師さんに
「今冷たい感じはしていますか?」
と聞かれました
麻酔が入ると、このように感じるのが普通だそうです
と、同時に激しく腰をハンマーで叩かれていたような痛みがみるみるなくなっていきます
「あ、痛くない…」
麻酔を入れてから10秒、あっという間にあんなに激しかった痛みは嘘のように消えたのです